小さな貿易系会社で事務職をしている真里(竹厚綾)は、東京近郊のマンションで自由気ままなひとり暮らしをしている。誰にも邪魔されない自分だけのための生活を満喫していたが、たまに孤独を感じた夜は、ベランダでビールを飲んだり、壁に貼った白い世界地図を見つめたりして過ごしていた。真里の部屋の隣は若いカップルが同棲しているらしく、毎日のように痴話喧嘩をしたかと思うと、楽しく語らいをしている。冬のある寒い夜、真里が帰宅すると、玄関の前で、背の高いひとりの男が寒さに震えながらしゃがんでいた。隣の部屋の住人・哲男(綾野剛)だった。鍵を持たずに出かけたため、彼女・亜理紗(三村恭代)の帰りを待っているのだという。真里はなぜか彼の様子に親近感を覚え、声をかける。その日の深夜、隣の部屋から激しい怒鳴り声が聞こえ、真里は思わず壁に耳を当てる。やがて真里の部屋の玄関ベルが鳴り、真里は部屋に哲男を泊めてしまう。