雪が積もった貧しい山村。70歳を迎えた斎藤カユ(浅丘ルリ子)は村の掟に従って息子に背負われ、姥捨ての場所であるお参り場へと向う。一人お参り場に残された彼女は、極楽浄土へ行けると信じながら体力が尽きて倒れる……。カユが見知らぬ建物の中で目を覚ますと、周りにはカユよりも前にお参り場へ捨てられた老女たちがいた。すでに亡くなったと思っていた彼女らはデンデラという共同体を作って今も生きていたのだ。カユはデンデラを作った三ツ屋メイ(草笛光子)の元へと連れて行かれる。メイは30年前に山へ捨てられたが生き残り、この場所を作り始めた。そして自分たちを捨てた村人に復讐するため、村を襲撃できるだけの老女が集まるのを待っていたのだ。カユは丁度50人目のデンデラ入居者。時が満ちたと感じたメイは計画の実行を宣言する。だが一刻も早く極楽浄土へ行きたいと願っていたカユは、その考えに賛成できなかった。椎名マサリ(倍賞美津子)も復讐には反対で、それより自分たちが冬を生き延びるための食糧を蓄えるべきだと主張した。すでに生きる望みを持たないカユは、マサリの意見にも同調できなかった。そんな中、カユはデンデラで、自分の唯一の親友だった黒井クラ(赤座美代子)と再会。元々体が不自由だったクラは、早く姥捨てされて神に召されたいと願っていたが、その彼女までもが死ぬのを怖がって生き続ける姿にカユの心は揺らぐ。狩猟のエキスパートで、現実的に物事を見つめて行動する浅見ヒカリ(山本陽子)らと触れ合いながら、ここで暮らし始めたカユだが、これからどう生きていけばいいのか気持ちは定まらなかった。やがてメイの計画が機を熟し始めた頃、カユの気持ちを変える衝撃の事件が持ち上がる。再び生きる気力を取り戻したカユが向かう先に待っていたものとは……。