1901年。フィラデルフィアの名門大学を卒業したレオニー・ギルモア(エミリー・モーティマー)は、ニューヨークで教職に就く。だが、編集者への夢を捨てきれない彼女は、新聞で求人広告を発見。日本から来た雇い主のヨネ・ノグチ(中村獅童)と出会う。詩人のヨネは、レオニーと共同で英語の詩や小説を発表し、脚光を浴びるようになる。いつしか恋に落ちる2人。そしてレオニーは子供を身籠るが、ヨネは妊娠の事実を喜ばず、彼女を置き去りにして帰国してしまう。残されたレオニーは、カリフォルニアで男の子を出産。やがて、日本人への人種差別が激化。子供の将来を案じたレオニーは、ヨネの誘いもあり、母の反対を押し切って日本行きを決意する。2人を出迎えたヨネは、息子を“イサム”と名付け、用意していた住まいへと案内する。レオニーにとって、戸惑いの多い日本の暮らしだったが、次第に東洋の文化と自然の美しさに惹かれていく。だがある日、ヨネに日本人の妻がいることを知り、激怒。イサムを連れて家を出てしまう。小泉八雲の妻セツ(竹下景子)と知り合い、身を寄せるが、異国での母子2人の生活は過酷で孤独なものだった。そんな時、お腹に宿った新たな命。女の子を無事に出産したレオニーは“アイリス”と名付けるが、父親の名は決して明かさなかった。その一方で、イサムの芸術的才能に気付き、成長した息子をアメリカへ送り出す。だが、時悪く第一次世界大戦が勃発。やがて連絡が途絶えてしまう。数年後、アイリスとともにアメリカへ戻ったレオニーは、イサムが医師を目指してニューヨークで学んでいることを知る。“あなたは芸術家になるために生まれてきたのよ”と息子を説得するレオニー。これによってアーチストとしての道を歩んだ彼は、やがて頭角を現す。2人の子供の成長を見届けたレオニーは、自分自身のために生きようと、メリーランドの田舎へと向かうのだった……。