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丹下左膳餘話 百萬両の壺

  • たんげさぜんよわひゃくまんりょうのつぼ
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  • 平均評点

    84.5点(267人)

  • 観たひと

    355

  • 観たいひと

    33

  • レビューの数

    66

基本情報

ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1935
公開年月日 1935/6/15
上映時間 94分
製作会社 日活京都撮影所
配給 日活
レイティング 一般映画
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ モノクロ
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督山中貞雄 
構成山中貞雄 
脚色三村伸太郎 
原作林不忘 
撮影安本淳 
装置島康平 
音楽西梧郎 
録音中村敏夫 
照明井上栄太郎 
編集福田理三郎 
衣裳稲次招 
助監督萩原遼 

キャスト

出演大河内傳次郎 丹下左膳
喜代三 お藤
宗春太郎 ちょび安
沢村国太郎 柳生源三郎
花井蘭子 萩乃
山本礼三郎 與吉
鬼頭善一郎 高大之進
阪東勝太郎 柳生対馬守
磯川勝彦 峰丹波
清川荘司 七兵衛
高勢實乗 茂十
鳥羽陽之助 当八
若松文男 田丸主水正
今成平九郎 鬼の健太
高松文麿 おしゃかの文吉
藤川三之祐 上州屋
伊村理江子 矢場の女
達美心子 矢場の女
深水藤子 お久

解説

百萬両の隠し場所が描かれたこけ猿の壺を巡る争奪戦を軽妙にユーモアをもって描いたコメディ時代劇。怪人・丹下左膳が活躍する林不忘の原作をアメリカ映画「歓呼の涯」(1932)をヒントに大胆にアレンジしている。監督は「国定忠治」の山中貞雄。脚色は同作でもコンビを組んだ三村伸太郎。撮影は「小鼓兄弟」の安本淳。音楽は「火の玉小僧 海賊退治」の西梧郎。出演は、丹下左膳が当たり役の大河内傳次郎、歌手の喜代三、「お洒落旗本」の沢村国太郎。戦後、タイトルクレジットの一部やおしゃかの文吉らとの乱闘場面ほかが削除され92分の短縮版となる。削除されたシーンはその後長い間幻となっていたが、2004年乱闘シーンの一部が音声欠如ながらも今作DVDに収録された。

あらすじ

柳生対馬守は、祖先が百万両の隠し場所を記した地図を「こけ猿の壺」に塗り込んでいたことを知る。しかしその「こけ猿の壺」は江戸の不知火道場に養子に出した弟・柳生源三郎に餞別として渡してしまっていた。急ぎ江戸屋敷に使いを送り、何も知らない源三郎から壺を取り上げようとする。その源三郎は婿養子の弱みで妻の萩乃には頭が上がらず、毎日屋敷で腐る日々を過していた。城主となった兄と違い古く小汚い壺しか相続してこなかった源三郎に嫌みを言う萩乃だった。そこに兄からの使者がやってくる。その言動を不審に思った源三郎はとうとう壺の謎を聞き出す。源三郎は喜んで萩乃に報告するが、萩乃は既に壺を通りかかった屑屋に売り払ってしまっていた。その屑屋が住む長屋に突き出し屋の七兵衛と安吉親子がいた。安吉が取ってきた金魚の入れ物用に屑屋はこけ猿の壺を譲り渡す。七兵衛は大店の旦那と詐称して毎晩、女将・お藤が営む矢場に遊びに出かけていた。その矢場には隻眼隻腕の浪人・丹下左膳がお藤のヒモ兼用心棒として居候していた。矢に難癖をつけて暴れる鬼の健太とおしゃかの文吉。それを諫めた七兵衛との間に騒動が起るが、左膳が割って入る。用心のため左膳は帰宅する七兵衛を送っていくが、嘘がばれたくない七兵衛は長屋の手前で別れる。その直後逆恨みした健太らに七兵衛は刺されてしまう。異変を察知し引き返した左膳は七兵衛を負ぶって店に引き返す。七兵衛は残された安吉を心配しながら事切れる。翌日。源三郎が壺探索にかこつけて矢場に現れる。萩乃の前ではいやいや出発するが、久々の開放感に足取り軽い。左膳とお藤は七兵衛の店を探すが見あたらない。通りかかった屑屋のおかげで大店の話は嘘だということが判明する。一人残された安吉を不憫に思い、二人は安吉を店に連れて帰る。口では迷惑といいつつも二人は安吉を溺愛しながら育て始める。安吉は元の家からこけ猿の壺だけをもって来ていたが、壺を目の前にしても源三郎は店に務めるお久との浮気に夢中で気付かないでいた。源三郎から百万両の壺の顛末を聞いた左膳だが、左膳も店の者も誰も安吉が抱える壺がそのこけ猿の壺だとは気付かなかった。不注意から金魚を死なせてしまった安吉のために左膳と源三郎とお久は連れだって金魚釣りに出かける。が、しかしその現場を萩乃に目撃されてしまう。そうとは知らない源三郎の元に屑屋を見つけたという知らせが届く。屑屋からの情報で安吉が持っている壺が探していたこけ猿の壺だとようやく気付いた源三郎だが、浮気続行のためそれを隠したままにしておこうと決める。翌日出かけようとする源三郎だが、浮気に怒る萩乃に咎められ屋敷に軟禁されてしまう。一方江戸屋敷では、江戸中から壺を買い取り、その中からこけ猿の壺を見つけ出そうとしていた。メンコの代わりに大判で遊んでいた両替商の息子に勝った安吉だが、お藤にたしなめられそれを返しに向かうが、その途中で大判を盗まれてしまう。両替商が大判を、小判で60両を返せと怒鳴り込んでくる。左膳とお藤は明日には返すと両替商を追い出す。金の工面のことから言い争う左膳とお藤の声を聞いた安吉はいたたまれなくなり置き手紙を残して家出してしまう。町中を探し回った左膳とお藤はなんとか安吉を見つけ、優しい言葉をかけるのだった。一発逆転を夢見、賭場に繰り出す左膳だったが結局すってしまう。その帰り道に鬼の健太とすれ違った左膳は敵討ちに健太を斬り殺す。健太の亡骸を遅れてきたおしゃかの文吉が見つける。なんとかして外に出ようと塀を乗り越えようとする源三郎だが、泥棒と間違えられ門弟に袋だたきに遭う。免許皆伝という触れ込みだが実は剣術の腕はからっきしな源三郎であった。万策尽きた左膳は道場破りで金を稼ごうと出かける。安吉はせめてもの足しになればと壺を売りに行こうと決める。左膳が道場破りに向かった道場は偶然にも源三郎がいる不知火道場だった。左膳は門弟を簡単に打ち破る。しぶしぶ立ち向かおうとしていた源三郎だが、道場破りが左膳と気づき、わざと負けてくれと頼む。60両で商談成立した左膳はわざと負け、源三郎を称える。それにすっかり騙される萩乃だった。源三郎から安吉の壺がこけ猿の壺だと聞かされた左膳が家に戻ると、既に安吉は壺を売りに柳生江戸屋敷に出かけてしまっていた。急いで安吉を追って家を出た左膳を、仲間を従えたおしゃかの文吉が襲う。大立ち回りの末左膳は文吉らを撃退する。このため出遅れた左膳だが間一髪安吉が壺を売るのに間に合うのだった。すっかり道場で面目を得た源三郎は、鼻高々に壺探索に出かける。矢場に着いた源三郎は、壺が見つかってしまっては浮気が出来なくなるからなと言い、当分壺は左膳たちに預けると告げるのだった。

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