最高の宮廷料理人に与えられる名誉の称号、待令熟手（テリョンスッス）。食の頂点を極める老舗料亭「雲岩亭（ウナムジョン）」料理長が冠するその称号をめぐって、いま若き料理人ソン・チャン（キム・ガンウ）と店主の孫に当たるオ・ボンジュ（イム・ウォニ）の対決が行なわれていた。だが、美食家たちの舌をうならせたソン・チャンのフグ料理が、思わぬ不幸をもたらすことになる。問題なく処理したはずの肝の毒がなぜか料理に含まれていたのだ…。5年後。朝鮮王朝最後の王・純宗（スンジョン）に仕えた待令熟手の遺品となる包丁継承者を求め、現代最高峰の料理人を決めるコンテストが開催されることになった。テレビ局の女性プロデューサー、キム・ジンス（イ・ハナ）は、田舎に戻って食材販売で生計を立てているソン・チャンをこのコンテストに参加させようとする。しかし、彼は雲岩亭の後輩チャン・ドッキ（チョン・ジン）に出会っても、いまさら料理人の道に戻る気はないと明言するのだった。そんなある日、今では雲岩亭の店主として料理界に名を馳せるオ・ボンジュが、来るべき大会への参加を辞退するようソン・チャンに圧力をかけてくる。闘志に火が点いたソン・チャンは、コンテストへの参加を決意、村長のク・ホソン（チョン・ウンピョ）を助手として第一次選考に臨んだ。最初の課題は鳥料理。ソン・チャンがキジ、オ・ボンジュは鶏を素材に、両者順調に勝ち進む。続く第二次選考の課題は魚料理。5年前の悪夢がソン・チャンを動揺させるが、自らの腕を信じ、彼はメフグを見事なフグ刺しに仕上げる。しかし、審査員はかつての中毒事故に巻き込まれた美食家たちだったため、試食を拒絶されてしまう。そこにレポーターとして取材していたジンスが現れ、臆することなくそのフグ刺しを口にするのだった。さまざまな素材、調理法で幾日にもわたって繰り広げられる白熱の料理勝負。極上レシピで勝ち残るのは果たして誰なのか……？