人間の眼からその人の記憶を読み取ることができる“網膜スキャン”が開発された近未来のパリ。欧州警察機構・ユーロポールの刑事・ダヴィット(アルベール・デュポンテル)は連続殺人事件の捜査中に、公私共にパートナーであった妻を殺され、休職していた。しかし、奇妙な若い女性の死体が発見されたため、捜査に戻る。その死体の眼の上まぶたに3本、下まぶたに4本の傷跡があったことから、ダヴィットは、彼が取り逃がした凶悪犯・ニコロフ(アラン・フィグラルツ)の犯行だと確信する。その死体に網膜スキャンを試すと、記憶が消されていた。捜査を進めるうちに、軍の秘密研究所が製造した“クリサリス”という機械をニコロフが盗み出したことがわかる。クリサリスを用いると、人間の記憶を消去したり、自由に書き換えることができるのだ。ニコロフはクリサリスを使って記憶の改竄をしたり、それを犯罪組織への転売をしようとしていた。