2008年レイダンス映画祭、2008年カメラジャパンフェスティバルなどに正式招待され、ヨーロッパの映画祭を激賛と涙流の渦に巻き込んだ、新鋭・竹馬靖具、驚愕のデビュー作「今、僕は」。ある引きこもりの若者の閉ざされた心理を、いっさいの音楽を排除してリアリティーを徹底的に追及し描いた衝撃のフィクションである。母親と二人きりの生活。ゲーム、漫画、カップラーメン。息苦しいまでの体臭とゴミの匂いまでも漂ってくるような生々しい描写。部屋に沈殿する不純物とローカル都市のありふれた風景。あの日母に暴力をふるった。得体の知れない【憤怒】にかられて。本格的に出口を失った若者の真の再生はやってくるのか…。竹馬靖具は本作で主演・監督・プロデュースなどを担った。2009年、国際交流基金主催巡回映画祭によりイギリス各地での上映も決定している。「この映画を独学で撮ったとは! 凄まじい才能の出現である」と想田和弘(「選挙」監督)に言わしめた力作。