核燃料再処理工場のある青森県六ヶ所村。そこに住む紀美(西山真来)は、再処理工場で働く恋人の治(吉岡睦雄)との結婚を間近に控えていた。開業当時から工場に関わっている父の大樹と2人で暮らしてきた紀美は、治と新しい家庭を築いていくことに、ささやかな幸せを感じていた。だがある日、工場での作業中、治がプルトニウムの内部被曝に襲われる。命に別状はなかったものの、2人の間に生まれる子供に被曝の影響が出ることを案じた大樹は結婚に反対。紀美はそれでも治と一緒にいることを願うが、その思いを打ち砕くようにして、治は突然姿を消してしまう。そして3年の月日が流れた…。紀美は変わらずに六ヶ所村で静かに暮らしていた。だが突然、その周囲で治が戻ってきたという噂が囁かれ始める。それを聞いた紀美は、あてもなく治のことを探しに出るのだが…。