ルーマニアの首都ブカレスト郊外。フランス人教師・クレモンティーヌ(オリビア・ボナミー)が、夫の作家・リュカ(ミヒャエル・コーエン)と共に林の中の屋敷に引っ越してきてから3ヶ月が経っていた。そんなある夜、夕食を終えた二人がのんびり寛いでいると、いつもはおとなしい愛犬が、しきりに吠え立てた。やがて電話のベルが鳴り、受話器を取るクレモンティーヌ。しかし、相手は何も話さず、受話器の向うからは不気味な金属音が聞こえるだけだった。クレモンティーヌが床に就こうとすると、家の外で突然音楽が鳴り出した。何者かが夫妻の車に乗り、カーステレオを鳴らしている。リュカが出て行くと、車は走り去ってしまった。すぐに警察に電話をする二人だが、次の瞬間、家の電気が切れてしまう。気がつくと、複数の、姿が見えない何者かが、屋敷の周りを取り囲んでいるようだ。やがて「奴ら」は、屋敷に侵入し、二人を襲い始めた。「奴ら」の正体も目的もつかめないまま、暗黒の迷路と化した屋敷の中を、次第に追い詰められていく二人。閉ざされた林の中、悲鳴も絶叫も、誰にも届かない。懐中電灯のような照明を手に、執拗に追ってくる「奴ら」の影。悪夢のような夜はいつまでも続くかのようだ。果たして二人に夜明けは訪れるのか……?