桐島かれんをゲストヴォーカルに加えた1989年以来、実に17年振りとなる伝説のロックバンド「サディスティック・ミカ・バンド」再始動。木村カエラをフィーチャリング・ヴォーカルとして迎えての2度目の結成は、フルアルバム『ナルソキッス』のリリースを経て、スタイルはそのままにその日の幕は開いた! 2007年3月8日、NHKホール。『LIVE In Tokyo』と銘打たれた一夜限りのスペシャルライブ。自然な流れに身を任せて再会し、難易度の高い楽曲を完璧に再現してみせ、なおかつ木村カエラという新たな強さも手に入れた先進性─サディスティック・ミカ・バンドは、まさにロックバンドの理想の再結成を提示してみせた。本作では、なぜ彼らがそのような再結成劇を実現できたかに迫るドキュメンタリー映画である。ライブ当日の演奏が35mmフィルム(音楽ドキュメンタリー映画ではこのフィルムを用いることはそれほど多くない)で再現された映像を軸にして、リハーサルやバックステージ、昨年行われた合宿形式でのレコーディングの様子を挿入して、画面は展開していく。そこにメンバーがそれぞれの他メンバーについて語り、自身とバンドの距離感やあり方を明らかにしたインタビューが重ねられていく。さらには1975年のイギリス・ツアーに同行した今野雄二(映画評論家)、鋤田正義(写真家)の証言も加わり、若き日のサディスティック・ミカ・バンドも浮かび上がってくる。