2001年、世界に一大ブームを生み出し、「ショートバス」で再びセンセーションを巻き起こしたジョン・キャメロン・ミッチェルと、音楽プロデューサー、クリス・スルサレンコ、そして多数の個性派ミュージシャン達が一堂に会して、NYのLGBTQの青少年のための学校「ハーヴェイ・ミルク・ハイスクール」の為に立ち上がった。 「ハーヴェイ・ミルク・ハイスクール」とは、アメリカで初めて自らがゲイであることを明らかにした上で選ばれた政治家ハーヴェイ・ミルクから名をとった、NYにあるLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア)の若者たちのための学校である。ミッチェルの提唱したプロジェクトは『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチHedwig & The Angryinch』のナンバーを、それぞれのミュージシャンがカバーしてチャリティ・アルバム『ウィッグ・イン・ア・ボックスWIG IN A BOX』を制作することだった。 同校の基本理念に賛同したオノ・ヨーコ、シンディ・ローパー、ヨ・ラ・テンゴ、ベンフォールズ、ベン・リー、ベン・クウェラー、フランク・ブラック、ブリーダーズ、ルーファス・ウェインライトなどのミュージシャンが参加した。ミッチェルとミュージシャンたちの1年にわたるアルバム制作を軸に、4人のLGBTQの生徒たち(2人のレズビアンと、1人のゲイと、1人のトランスジェンダ)にフォーカスをあて、「自分は人とは違うのだ」という葛藤、家族や周りの人々との関係、そして自分という存在を肯定する様子を映し出してゆく。