チベットでは、古くから盲人は前世の悪行が原因で悪魔に取り憑かれているという言い伝えがあり、多くの差別的な扱いを受けてきた。盲目の子供たちも「愚か者」と周りの子供たちからからかわれ、社会からはじかれてしまうという現実に直面していた。そんな子供たちに救いの手を差し伸べたのは、自身も盲人であるドイツ人教育者サブリエ・テンバーケン。様々な困難を乗り越え、彼女はチベット初の盲人のための学校を設立する。数年後、盲人史上初のエベレスト登頂に成功したアメリカ人登山家、エリック・ヴァイエンマイヤーに感銘を受けたサブリエと教え子たちは、エリックに連絡を取り、登山のワークショップを開いてもらうべく学校へと招待する。そのことがきっかけとなり、エリックは子供たちにエベレストの北側、標高7000メートルのラクパリを目指すことを提案する。《10万の美しい湖》ソナム・ブムツォ、《優勝旗》ゲンゼン、《小さな月》ダチャン、《幸せ》キーラ、《ブッダの教えを守る者》テンジン、《幸運》タシ。6人の少年少女とサブリエ、そしてエリックたちは、こうして前代未聞の挑戦をはじめることになった。自分たちの可能性に向かって足を踏み出す登山者たちは、果たして無事に登頂することができるのだろうか?