2003年1月28日、ベルリン郊外のトレプタウの工業地域の川沿いのバス倉庫跡に、ベルリン・アリーナは建設された。アリーナには25ヶ国にわたる250名の生徒たちが集められ、ストラヴィンスキーの『春の祭典』を踊ることになった。彼らはほぼ6週間にわたって、イギリス人の振付家ロイストン・マルドゥームと首席指揮者に選ばれたサー・サイモン・ラトル率いるベルリン・フィルのもと、入念なリハーサルを行い、本番に臨むこととなる。これは、ベルリン・フィルが2003年のシーズンに選んだ最も野心的なプロジェクト、舞台『春の祭典』の魅力的な経過を描いている。マルドゥームと彼の助手スザンナ・ブロウトン、そしてフォルカー・アイゼナハの熱心で愛情あふれる指導と、ベルリン・フィルのリハーサル風景。3人の主役級の若者たちの視線を通じて、観客はリハーサルの出来不出来、疑心と情熱、不安と自信の間をさまようプロジェクトの道程を知ることになる。そして、彼らの驚くべき変化を垣間見る、わくわくするような瞬間を与えてくれる。