キューバの田舎町にあるバス待合所。続々と人が集まり、なかなか来ないバスを待つ人々で溢れ返っている。機械エンジニアのエミリオ(ウラジミール・クルス)と、美しい女性ジャクリーン(タイミ・アルバリーニョ)もそんな待ち人たちのひとり。来るバスはどれも満席で、彼らの希望により、バス停の所有する壊れたバスの修理が行われる。しかし、出発しようとしたとたんにまた故障し、バス停の閉鎖が決定。人々はその場を立ち去ろうとするが、エミリオの呼びかけで、皆の手による修理作業が始まった。夜が更け、ベンチなどで眠る人々。翌朝、バス故障の原因となっている燃料ポンプのピンを探しながら、皆は自分の話を語り出し、奇妙な連帯感が生まれる。見つけたロブスターを楽しく食べ、食後はダンスに興じる人々。翌日、ジャクリーンの提案により、待合所をペンキで塗り直す作業が始まり、ベッドが置かれ、図書館が作られ、理想郷のような共同生活が始まった。しかし、エミリオが起されると、そこはベンチの上だった。すべてが夢だったのだ。しかし、皆はエミリオの夢に符合する事を言い合っている__。やがて人々は別れの挨拶をし、幸せそうな表情を浮かべながらそれぞれの目的地へと向っていくのだった。