1904年、ダブリン。田舎町から出てきた情熱的な娘ノーラ(スーザン・リンチ)は、繁華街でジョイス(ユアン・マクレガー)に出会いたちまち恋におちる。まもなく、アイルランドの閉鎖性を嘆き文学を追求する彼と共にイタリアのトリエステへ旅立ち、やがて長男を出産する。だが、次第に経済的な困窮を極め、2人は諍いが増すようになった。3年後、ノーラは長女とトリエステで暮らしていたが、ジョイスは長男とダブリンへ戻り、映画館を経営していた。彼は、その長男はノーラと他の男の子ではないかという噂に悩まされていたが、やがて疑念は解けて仲直り。1909年、ジョイスはノーラの元に戻るが、嫉妬深い彼は彼女の男関係を責め続け、また関係は壊れていく。ついにノーラは、ジョイスが全身全霊をかけて完成させた『ダブリン市民』を携え、子供たちを連れてアイルランドへ帰ることを決めるのだが、離婚寸前になってもまた関係は修復していくジョイスとノーラなのだった。