ネリー(エマニュエル・ベアール)の夫ジェローム(シャルル・ベルラン)は失業中で職に就く気すらなく、彼女がパートで家計を支えていた。親友ジャクリーヌが昔の愛人ピエール・アルノー(ミシェル・セロー)を紹介、アルノーは滞納した家賃分の金を融通しようと言う。ネリーは夫にこの話をするが、彼は特に咎めもしない。ネリーは夫と別れる決心をし、自叙伝を執筆中のアルノーのためにワープロのオペレーターを始める。アルノーは昔南海の植民地で判事を勤めた後、実業界に転身した異色の人物だ。最初はおとなしく見えたネリーは彼の文章に手厳しいが的確な批評とアドバイスを与える。彼は気難しい方だが、彼女とは馬が合う。アルノーの編集者ヴァンサン(ジャン=ユーグ・アングラード)はネリーに出会って即座に彼女にひかれる。アルノーと楽しく夕食を共にした晩、ネリーはヴァンサンと一夜を共にする。翌朝、夫が自殺未遂をしたという知らせがあった。病院に行くと単なる睡眠薬の飲み過ぎで、今は就職もして元気だという。彼の新しい恋人もやって来て、彼女は複雑な心境だ。ふさぎ込みがちなネリーにアルノーは苛立ち、二人は喧嘩別れする。ジャクリーヌの家でのパーティ、二人はジャクリーヌ夫妻の夫婦喧嘩の仲裁をする羽目になり、仲直りする。再び自叙伝の仕事が始まり、アルノーはネリーに、いつも彼を訪ねてくる謎の男ドラベラ氏(マイケル・ロンズデイル)にまつわる秘密を明かした。彼は最も古い友達だが、自分が破滅させてしまったのだと……ヴァンサンがネリーに一緒に暮らそうと持ちかけるが彼女は断り、二人の恋は終わる。ネリーはその晩アルノーの家に泊まる。翌朝、アルノーの別居中の妻が訪れる。長年暮らしてきた愛人が死んだのだ。ネリーの離婚が決まった翌朝、アルノーは妻と世界各地を旅行して絶縁状態の息子が暮らすシアトルまで行くことにしたと告げる。夫妻は旅立ち、一人残されたネリーは最終章の原稿の清書を始めるのだった。