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獄門島(1949)

  • ごくもんとう
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  • 平均評点

    60.4点(21人)

  • 観たひと

    33

  • 観たいひと

    5

  • レビューの数

    5

基本情報

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1949
公開年月日 1949/11/20
上映時間 169分
製作会社 東横京都
配給 東横
レイティング
アスペクト比
カラー/サイズ モノクロ
メディアタイプ
音声
上映フォーマット

スタッフ

監督松田定次 
脚本比佐芳武 
原作横溝正史 
企画マキノ満男 
製作マキノ満男 
撮影伊藤武夫 
美術角井平吉 
音楽深井史郎 
録音佐々木稔郎 
照明西川鶴三 

キャスト

出演片岡千恵蔵 金田一耕助
喜多川千鶴 白木静子
片岡千恵蔵 鬼頭嘉右衛門
千石規子 鬼頭月代
朝雲照代 鬼頭雲枝
谷間小百合 鬼頭花子
三宅邦子 鬼頭早苗
進藤英太郎 鬼頭儀兵衛
月宮乙女 鬼頭お志保
島田照夫 鵜飼章三
澤村國太郎 村瀬幸庵
斎藤達雄 了然和尚
小杉勇 清水巡査
大友柳太朗 磯川警部
上代勇吉 竹蔵
原泉子 おかね
村田宏寿 山口

解説

「花嫁と乱入者」に次いでマキノ満男のプロデュースする東横京都作品、探偵小説作家横溝正史(「本陣殺人事件」は「三本指の男」の題名で映画化、脚色比佐芳武、監督松田定次、主演片岡千恵蔵)の同名の原作から前作に同じく比佐芳武の脚色、松田定次(「白虎」)の監督する探てい映画、主演は「三本指の男」に同じ金田一耕助の役で「白虎」の片岡千恵蔵、「透明人間現わる」の喜多川千鶴のほかに「野良犬(1949)」の千石規子、「仮面舞踏会」の朝雲照代、谷間小百合「晩春」の三宅邦子、ほかに斎藤達雄、小杉勇、大友柳太朗、村田宏寿、澤村國太郎、進藤英太郎、月宮乙女、原泉子などが出演する、なおこれは前後篇に分けて公開される。前篇75分、後篇94分。

あらすじ

金田一耕助は復員の船中で戦友鬼頭千万太の臨終に立会い「ぜひ行ってくれ、三人の妹が、殺される」とのナゾの言葉を聞いて帰国と共に単身彼の郷里である海中の孤島獄門島に鬼頭家を訪ねる。鬼頭家は本鬼頭と分鬼頭に分れて権力争いから常に激しい反目を続けている。彼が滞在した本鬼頭の家には当主で千万太の祖父に当る嘉右衛門が病床にあり、父与三松は精神の異状で座敷牢にいる。月代、雪枝、花子の三人は千万太の腹違いの妹で家政は千万太の従妹早苗が仕切っており、彼女の兄一は唯一人鬼頭の跡目を継ぐ者だが復員後家族との不和から家出して行方不明である。分鬼頭には当主儀兵衛とその妻お志保、彼女に弄ばれている美少年章三の三人が住み常に本鬼頭と対立していた。耕助が来て間もなく、近所の島を襲った海上ギャング団の片割れがこの島に上陸したという不安の中に嘉右衛門は息を引取り、その葬儀の夜章三との逢引きで家を出たまま行方の知れなかった花子が漁具倉庫に死体となって発見された。島に唯一人の清水巡査の無力に協力して捜査に努めようとした耕助は却って疑われて容疑者として留置されてしまう。県の警察本部との電話連絡の故障に疑惑をもった清水巡査は島の電話線を点検に行って通信妨害を企てる海上ギャング団を発見し烈しい射合いとなる。その少し前に島へは耕助の助手白木静子が「金田一耕助生命の危険あり、急用と偽りて召還せよ」という偽電に接してかけつけていた。一晩中をやがて起る事件の不安に焦慮していた耕助が静子の言で留置場から解放された時、第二の殺人が起きた。雪枝が屏風岩の松の木の枝に吊し殺されていた。耕助は折柄到着した磯川警部らと共に必至の捜査を開始した。殺された二人に常に関連していた章三の取調べから耕助は儀兵衛とお志保を怪しいとにらむが間もなく行き詰り捜査の手は本鬼頭の家に移る。耕助は、確り者らしい中に何かを隠している様な早苗の態度に目をつけていたがある夜彼女の行動から海上ギャング団の一味を発見した。早苗はその中に兄一がいるものと思って食糧や煙草を持って行っていたのだった、しかしそれは一ではなかった、早苗は欺かれていた、続いて起る不安にがく然として耕助たち一行が本鬼頭の家にかけつけた時、最後に残った月代は祈祷所で絞殺されていた。相次ぐ事件の続出に苦闘して漸く全貌に思いを巡らし、本鬼頭の下男竹蔵に重大な疑点を見出した耕助、深夜の調室に転がり込んで来た章三、分鬼頭の儀兵衛が寝室で殺害された。耕助はすぐ本鬼頭の家にかけつけて三人の後見人千光寺了然、荒木真喜太、村瀬幸庵を呼び集めて峻烈な取調べを開始する。耕助の鋭い頭脳には誤りなく、一を呼び寄せて由緒ある本鬼頭の家名を立てるために汚れた血の混る三人の娘を邪魔者として片附けてしまったのだ。耕助の言葉に一同が恐れ入ったあと、人々は耕助の次の言葉にがく然とした「鬼頭嘉右衛門は生きている」そしてその言葉通り、嘉右衛門は天井裏から現れ、絶え絶えの息を絞って「三人の馬鹿娘と儀兵衛夫婦はわしが手にかけた、一に帰って本鬼頭の名跡をつがせてくれ」と語った後息が切れる、主犯嘉右衛門は偽葬式という方法でアリバイを造り、三人の後見人に竹蔵を加えた四人の共犯者の協力で連続殺人を完成し、更にその罪を分鬼頭儀兵衛に転嫁しようとしたのであった、事件もすっかり解決した朝、行方不明の一から「事件は新聞でみた、すぐ帰る」との電報が入った、静子を伴って巡航船に乗った耕助は「封建的な……余りに封建的な」と詠嘆をもらしていた、巡航船の甲板に手を組んで立つ二人の蔭には更生を決意した傷心の章三がたたずんでいた。

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