子供達の人気者力道山の控室から、ある日、貫一少年が小型のチャンピオン・ベルトを盗み出す。だが小児麻痺の友達晃にやるためと判り、力道山は早速、晃を見舞い元気づけるが、姉の悦子はひがみから彼に喰って掛る始末である。その頃、彦根市体育館落成記念に力道山は大橋代議士に招かれたが、主催する赤岩興業の社長敬介に不快を感じ中座。帰途、暴漢に襲われた米川老人を助け出す。老人は娘康子と共に小児麻痺学校の愛光学院を経営していたが赤岩や大橋らは、学院に出される市の補助金を使い込んでおり、近づく選挙のため、穴埋めに苦心していた。力道山は試合を終えると直ぐ学校を訪れ、テレビとファイトマネーを全部寄附し皆を感激させた。だがアメリカから強敵レッド・ドラゴンを迎えての試合は引分け、大阪で第二戦を約束するが赤岩達は、力道山が力士時代からの恩人大橋の口ききでこの興行を引受ける。悦子からの謝罪状に喜んで見舞に赴いた力道山は、彼に歩み寄ろうと努める晃の姿に思わずかけ寄って抱き上げる。力道山は悦子と晃を大阪の試合に招待。だが帰途、康子から大橋らの悪事を聞いて怒り、ドラゴンに勝ったら当日の収入を全部くれと赤岩にいう。大橋も悪事露見で幹事長から立候補辞退を申込まれ、絶体絶命。ドラゴンに巨額の報酬を約束する一方、横浜のキャバレーに力道山を呼び寄せ、子分に襲わせる。力道山は一味を叩き伏せるが左腕に負傷しかし子供のためにとリングに上る。手に汗して見守る少年達や赤岩一味の眼前で、ドラゴンの反則にも力道山は遂に勝つ。彼を殺そうとした一味も警官に逮捕。乱れ飛ぶ花束の中に力道山は微笑する。