東京荒川区の六年生、考太、淳一、登、それに登の妹で五年生の弓子の四人が春休みを利用して東京~直江津、約三〇〇キロのサイクリングに出発した。四人のリーダーは「トマト塾」の塾長、大学生のトリさんである。心配する親を、この計画に賛成した考太の父が説得してくれた。四人は元気いっぱい、心をはずませ、軽快にペダルを踏んで行く。日も暮れたころ、第一日目の目的地高崎に着いた。しかし、第二日目が無事に終ろうとしたころ、考太の身勝手な行動からトリさんが足を怪我してしまった。旅を断念しなければと泣きじゃくる子供達に、トリさんは、電車で見守っていくことに決めた。三日目、女子大生のみどりさんと親しくなった。そのみどりさんに強盗犯人の疑いがかけられたが、四人の連係プレーで真犯人を見事に発見する。東京を出て五日目、ゴールめざして進む四人の目の前にコバルトブルーの日本海が広がっていた。四人は自転車を放り出し、浜辺へと駆けていく。ついにやったぞ!。四つの真赤なトマトは水平線を見つめ、大きく息をはずませていた……。