1939年、大西洋に面した港町ナント。8歳のジャコ(ジャックの愛称。フィリップ・マロン)は自動車修理工場を営む父(ダニエル・デュブレ)と髪結いをしている歌の好きな母(ブリジット・ド・ヴィルポワ)に見守られて幸福な日々を送っていた。母と一緒にオペレッタや人形劇を見に行くのが大好きな彼は、祖母に人形のドレスを作ってもらって自分で操り人形の小屋を作ったり、ディズニーの「白雪姫」に熱中する。彼の憧れはバレエを習っている向かいの家のレーヌ(エレーヌ・ポール)。ふたりは曲芸ショーで世界中を回ろうと約束する。第二次大戦。ドイツに占領されて、味方のアメリカ軍から猛爆を受けたナントで、ジャコ(エドゥアール・ジョボー)は暴力を憎むようになった。一方、友人から映写機と無声喜劇映画のフィルムを借りた彼はますます映画にのめり込み、中古カメラを手に入れて近所の子供を集めて短編を撮り、レーヌに出演を断られてからは屋根裏部屋にこもって人形アニメの製作に没頭する。やがて、長男の彼に家業を継いでほしい父の命令でジャック(ローラン・モニエ)は工業学校に入学、そしてレーヌ(マリー・シドニー・ブノワ)はアメリカ兵の子を身ごもっていた。しかし、近所のおじさんと母の応援で映画館での上映にこぎつけた映画が新作キャンペーンにやってきたクリスチャン・ジャック監督の目に止まり、翌10月ジャックは父の許しを得てパリの写真映画技術学校に入学した。