北欧瑞典の片田舎にサー・アルネと云う金持があった。彼は不正な手段を以て或寺院の宝物を所有して居たが村人は彼の身上に何か凶事が起るに違いないと云い合って居た。或日村の酒場に寒き冬の一夜を酒に舞踏に耽って居た村人はアルネの家が火に包まれて居るのを発見した。一同が駆けつけた時はアルネ夫婦とエルザの姉は何者かの為めに無惨な最期を遂げ宝はその影もなかった。孤児となったエルザは近所の漁夫トラリンの許に引取られる事になった。エルザはふとした事から一人の騎士ハルマーを恋する様になった。然し恋人こそ父母や姉の仇であることを知った彼女は気も狂わんばかりに驚いた。此を知った役人は彼ハルマーを捕えようと迫った。ハルマーはエルザを腕に遠く逃れんとした時、役人の槍は誤ってエルザの胸を貫いた。かくして薄命の乙女は永遠に眠ったのであった。