ハリー(O・リード)は、五カ月ぶりに面会にきた妻パット(J・S・ジョン)の話を聞いて悶絶した。あと十何年も待つことができない、男ができ、妊娠したというのだ。彼は復讐を誓い、相棒のバーディ(I・マクシューン)やマクニール(F・ジョーンズ)と脱獄を計った。ハリーとバーディは、リバプールに行くというマクニールたちに別れてロンドンに向った。そこにはパットと男がいるはずだった。進んで協力するバーディの力で九ミリのモーゼル・スペシャルを手に入れ、彼女のアパートに向ったが、そこには、彼を刑務所に送ったミルトン警部(E・ウッドワード)が張り込んでいて、目的を果たせなかった。何をするにも先だつものは金だ。ハリーは貸しのあるマーティ(F・フィンレイ)に用意させようとしたが、彼の裏切りにあい失敗した。ハリーはパットと安楽に暮すために隠しておいた二〇万ドルを探し出すと、今度こそは決着をつけようとバーティとパットのところに向った。ハリーが、彼女の部屋の窓に狙いをつけると、バディは近くの燃料小屋に火焔ビンを投げた。火がまわり、彼女のシルエットがクッキリと浮かんだ。ハリーが引き金を引くとシルエットが倒れた。その瞬間バーディがハリーを蹴倒し、金袋を奪って逃げた。しばらくして意識を取り戻したハリーが跡を追うと、バーディとパットが車に乗り込もうとしていた。うまく金を吐きださせたと、女は笑った。総て二人の筋書きだった。彼女の妊娠も嘘だった。激しい追跡の末、バーディの車は線路に落下した。なおも金袋をつかんで逃げようとするバーディを蜂の巣にすると、ハリーは火だるまになった車に飛び込みパットを抱きしめた。