父の死によって、上流階級の娘たちが通っている学校の寄宿舎に入っていたキャンディダ(B・フェリス)は天涯孤独の身になってしまった。父の財産を継いだ彼女は、テームズ河畔の家で遠縁の二人の年老いた叔母たちと住むことになったが、陰湿な生活に耐えきれず、ロンドンを逃げだしパリに向った。ルーブル博物館で雨やどりしていた彼女に、自称作家のピエール(C・ギニー)が近づいてきた。ピエールは、ひとり旅の女をカモにする安っぽい二枚目にすぎなかったがキャンディダには見抜けなかった。彼の正体を知り、妊娠したことを知ったキャンディダは絶望してロンドンに帰り数カ月後出産した。しばらくして、近所に住むオールドミスの先生グリルズビイと二週間のイタリア旅行に出たが旅先で倒れたために、ひとりで見学するはめになった。ここでもまたキャンディダはアメリカの学生エド(B・ヒナント)と恋に陥ってしまった。ゴンドラ、ワイン、運河、恋の条件としては完璧だった。やがて先生も回復し、ロンドンに帰る日がやってきた。列車がベニスを出発しようとした時、人混の中から現われた中年女性がキャンディダに赤ん坊を預けて消えてしまうというハプニングがおきた。彼女はなすすべもなく、赤ん坊をロンドンに連れて帰る。彼女の父の古い友人であり、彼女の後見人でもあるサベジ(H・アンドリュース)は、キャンディダがエドの子どもを身ごもっていることを知ると激怒した。苦労性のサベジは、目立たぬうちに結婚相手を捜そうと必死だった。やがて父の部下だったフレデ(J・ビリアーズ)が候補にあげられ、二人の交際が始まるが、偽瞞に耐えられなくなったキャンディダは全てを告白した。彼女は純白のウエディングドレスをテームズ河に投げ捨てた。それを見ていたサベジは、本当にキャンディダを愛しているのは自分だと悟り、生まれてくる赤ん坊をふくめて三人とも自分たちの子供として育てていこうとキャンディダを抱きしめた。