ミシェル(A・アルビナ)は、アルルで父を失くし、いとこのアニーをたよってパリへ来た。ポール(S・バリー)は、実業家の父を持つ15歳の少年である。裕福な家庭だが、父の後妻にくる女性と、連れ子が気に入らず、今日も動物園へ、遊びに来た。二人はそこで出会った。初体面で二人は通いあうものを感じた。ある日、父の車を拝借したポールは、ミシェルを乗せてドライブに出かけた。郊外で、車が池の中に突っ込み、すっかり困ってしまった二人はミシェルの思い出の地アルルに行って生活しようと決意した。アルルには、いまは誰も住んでいない、白い家が、ぽつんと一軒建っていた。ポールとミシェルは、アルルの大自然にかこまれて、はじめてお互いを意識した。幼い二人だけの生活は、すぐに、現実の厳しさに触れ、ポールは食糧を得るために、働きに出るようになった。しかし、若すぎるポールに、大人並の働きができるものではなかった。それでも、なんとか職にありついては、二人の生活を支えようと、ポールは一生懸命に働き、ミシェルも、けなげに家を守った。二人でいっしょに入浴し、かたいベッドの中で、ポールはミシェルを抱いた。まるで、ひもじさから、のがれるかのように、二人は、しっかりと抱き合った。日はすぎ、ミシェルにベビーが出来た。なにごとも、二人でやろうと決めたミシェルとポールは、本を買って勉強し、やがて陣痛が始まって苦しむミシェルに、ポールは、とまどいながらも助産婦の役目を果たし無事元気な赤ん坊が生まれた。パパとママになった二人は、こっそり教会に出かけて、ベビーに洗礼を受けた。ポールとミシェルは幸せだった。しかし、そんな時、ポールの父から出された捜索願いを受けた警察が、ようやく、ポールの居場所を捜しだしたのだ。朝いつものように働きに出かけたポールを、二人の刑事が、仕事場で待ち受けていた。そうとは知らぬポールは、仕事場に向って歩いていた。