メキシコ、ゲレーロ州海岸地方のある村。三男坊オリヴェリオ(エステバン・マルケス)の結婚式の当日、突然病床の母親(レオノーラ・ゴメス)の容体が悪くなる。欲深い兄達は、息のあるうちに自分たちに都合のよい遺言状を作ろうと必死で、財産の中でも価値の高いメキシコシティの家を狙っている。しかし母親は孫である死んだ娘の子供にその家を譲りたいと思い、一番信頼できるオリヴェリオに法的効力のある遺言状を作って欲しいと頼む。オリヴェリオは代埋人のいる隣町まで、おんぼろバスに乗って出発する。バスに乗ると、いろいろな珍事が続出、霧が発生するし妊婦は産気づき、峠の一本道なのに滅多に来ない対向車が来る。川にさしかかるとぬかるみにはまり込み、オリヴェリオは男好きな娘ラクェル(リリア・プラド)に誘惑される。バスはようやくスピードを出し始めたが、突然運転手のシルヴェストロ(ルイス・アセヴェス・カスタニェダ)が実家のある村に立ち寄ると言い出す。この日は彼の母親の誕生日で、乗客全負が宴席に招待される。果てしなく続く宴会にうんざりしたオリヴェリオは、バスを失敬してラクェルとともに町へむかい、途中昇天峠でついにラクェルと結ばれてしまう。公証人の知恵で証文を作ってもらったオリヴェリオは、故郷の村に戻ると既に息をひきとっていた母の拇印を証文に押す。かくしてメキシコシティの家は孫に渡ることになった。