ごく一部しか使われていないと言われる人間の脳を１００％活性化できる薬を手に入れ、ありえない超〝脳力〟を得た男が難事件に挑む。新感覚の犯罪捜査エンターテイメントだ。

主人公は三十路前で、売れないミュージシャンのブライアン。そんな彼がエリートビジネスマンになった昔の仲間と再会、「起爆剤だ」ともらった薬を飲んだとたん、脳細胞がフル回転。ありえないスピードで仕事をこなし、ギターの腕前も天才的に。再び薬をもらおうと仲間を訪ねるが、彼は何者かに殺された後だった。ブライアンは犯人を追う中でＦＢＩ捜査官のレベッカと出会い、ＦＢＩの捜査コンサルタントとして働くことになる。

ブラッドリー・クーパー主演の同名映画のドラマ版。人生負け犬キャラが勝ち組に転じる姿をコミカルに描き、漫画チックなビジュアルや、人気映画のパロディなどもふんだん。そのノリはオタク青年がスパイになるドラマ『ＣＨＵＣＫ／チャック』を彷彿させる。とくに、超脳力を得て調子に乗るブライアンと堅物なＦＢＩの捜査官たちとのやり取りには大笑い。また彼を温かく見守る父親との絆も描かれ、誰もが楽しめる仕上がりだ。

主演は、『シェイムレス　俺たちに恥はない』などのジェイク・マクドーマン。人のよさそうな風貌が親しみやすいキャラにハマった。そんな彼のお目付け役のＦＢＩ捜査官レベッカには、『デクスター』のジェニファー・カーペンター、上司には『ＧＲＩＭＭ／グリム』のメアリー・エリザベス・マストラントニオ、さらにブライアンの父親には映画にドラマに幅広く活躍する名優ロン・リフキンなど脇を固める実力派たちによるアンサンブルも見ものだ。映画版のブラッドリー・クーパーが製作総指揮として参加するだけでなく、上院議員になったエディ・モーラ役で登場し、オリジナルファンへの目配せも効かせている。