オープニングからカッコイイ!

2014/6/9

フィンチャー監督の手がけた1話と2話は、もうすごい。スマートな演出のオンパレードでしびれます。遠景ショットでのメール着信の見せ方とかも、いい。(3話以降も、できのよい海外ドラマという感じで、非常に楽しめました。)

ワシントンの1日の景色が早送りで捉えられる、ミュージッククリップみたいなオープニング映像からして、とてもかっこいい。「ドラゴン・タトゥーの女」のときも、(少なくとも自分の周りでは)オープニングは話題になってたなぁ、と思い出した。

印象に残るセリフにセンスを感じる

2014/5/30

ケヴィン・スペイシーがカメラ目線で、鑑賞者に対して語りかけるシーンが時々あるのだが、それらのセリフが非常に強烈で印象に残る。

サラリーマンだったら、カッコ付けて思わず飲みの席で人に言い聞かせたくなるような、センスの良いセリフがばんばん飛び交う。
派手な映像、劇的な演出ではなく、思わずニヤリとしてしまうようなセリフ、人同士の騙し合い、蹴落とし合いの駆け引きが好きなら、このドラマはうってつけである。

映画館でやってる無料上映で、最初の2話しか見ていないが、確かに海外ドラマを見ているよりかは、良質なポリティカルサスペンス映画を観ているような錯覚に陥る。
途中、2話目のオープニングが入って、「あっ、そういえばこれドラマだったんだ」と思い出させるくらい、映画として違和感なく観ていた。

海外ドラマと言えば「フルハウス」「プリズン・ブレイク」「デクスター」ぐらいしか観たことないが、この「ハウス・オブ・カード」はレンタルが始まったら絶対続きを観ようと思う。

二種類の痛み

2014/5/30

第一話の冒頭でひき逃げに遭った犬を抱きかかえながらケビン・スペーシーが観客にこんなセリフを吐く。
”痛みには二種類ある 成長を伴う痛みと無益な痛みだ”と。

そこからスタートした本編の1話と2話を今回見させてもらったが、すこぶる面白いポリティカルサスペンスだった。国務長官の椅子を約束されていた主人公がその約束を反故にした政治家たちに復讐の罠を仕掛けていくというのが序盤の大筋。

主人公の妻を演じたロビン・ライトの役回りが今後大きなウェイトを占めてくる予感がする。会社の創設メンバーを容赦なく解雇する冷酷な経営トップ、そんな彼女がどんな”痛み”と向き合うのか。そのあたりを注目していきたい。

“完全無欠”じゃないからこそ。

2014/5/28

金あり、権力あり、美人な奥方あり。
そんな完全無欠に見える男が、
政権の権力闘争に巻き込まれるさなかに、
時折見せる弱さ。
とても人間らしくて、
本当に魅力的だった。

レビュータイトル無し

2014/5/27

ケヴィン・スペイシー演じる主人公の政治家が陰謀を企てるドラマだが、
今の日本の現実では一般的になじみのある「陰謀」といえば、
ネット時代になって伝播力が強くなった「陰謀論」、
即ち都市伝説のような信憑性のない話になってしまう。

一方本作は、陰謀を物語の中心に据えて具体的に描いているし、
物語の視点も大衆側からではなく陰謀を企てる側からだし、
陰謀の首謀者を動かす出世欲や復讐心の強さも常識を越えていたりで、
我々の日常とはかけはなれた世界で繰り広げられる別人種のドラマに見え、
上手く実感できない戸惑いと、未知の世界を覗ける期待とを感じた。

2話まで観た印象では、陰謀が順調に進展していく様が淡々とした調子で描かれていて、
まだまだ序盤といった感じだが、
興味深いのは政治家の陰謀にマスコミが加担していること。
政治的な陰謀を成し遂げるには、
情報操作で民心を都合よくコントロールすることが大きな武器となっていて、
マスコミのあり方次第で政治の行く末が影響される恐ろしさが垣間見られた。
政治家も陰謀の片棒を担がされる新聞記者も、
社会を良くしたいという想いが動機となって就く仕事だと思うが、
2話まででは私利私欲しか感じられない彼らは、
3話以降も大衆をミスリードさせ続ける悪人のままなのか、
それとも心が揺らぐ展開になるのかも気になった。

レビュータイトル無し

2014/5/26

政界を描いたドラマというのは、とかく人間関係が入り組んでいて、単に時間の流れを追うだけの構成では、登場人物の役割を理解するだけで見始めは終わってしまいがちだ。しかし、この『ハウス・オブ・カード』は、主人公の院内幹事フランシス(名優ケヴィン・スペイシーが怪演!)が、我々視聴者に人物の役職や、ドラマの中での役割を教えてくれるので、それほど考えずに、素直に人間関係が理解できるのだ。そこが、このドラマの一番の見どころであり、他の政治ドラマにはない面白さだ。

内容を主人公自ら教えてくれるドラマと言うと、小難しい社会派が好きという人(今どき、そんな人は少ないだろうが)には、物足りないと思うかもしれない。見ていた私自身政治ドラマ(ポリティカル・ストーリー)は難しい、との先入観がある人には、とてもわかりやすい内容と思うだろう、というのがスタートの1話と2話を見た第一印象だ。

その点に不安を抱いていたのだが、説明が入ることでドラマのテンポがリズミカルになり、登場人物の個性や人間関係に感情移入がしやすく、1話の半分が過ぎたあたりからドラマの展開にはまって、2話終了まで心地良く見ることができた。製作と監督を担ったデヴィッド・フィンチャーは、映画は内容は面白いがまわりくどい構成と展開にしてしまうのが欠点、と思っていた。これを見ると、そのまわりくどさがむしろ演出の良さになっている。この監督、映画よりもテレビ・ドラマのほうが向いているのかもしれない。

政界は、野望と裏切りの坩堝だ。このドラマは、その二点に絞って物語を展開しているのが、何より見やすくて面白くしているのだと思う。ドラマが終了してもまだまだ続きが見たくなってくる、上質の政治ドラマである。

レビュータイトル無し

2014/5/25

全体的にテンポがよかったです。主人公の院内幹事を中心にいろいろな人物が絡み合い、どんどん展開が変わり、最後まで集中して観れました。特に面白かったのは、名前は忘れましたが、大統領に就任し演説を終えた人物の過去の文献をもとに批判を広げ、あっという間に辞任に追い込んだシーンです。情報を持っていることや権力がってすごいな、何でもできるのだなと思いました。1話だいたい1時間ほど、というのも丁度よく、3話以降も気になります。ただ、いろいろな人物が出てきたので、観ながら人間関係を整理するのに展開が少し早すぎたし、あらかじめ話の内容をある程度頭に入れておかないと理解できないと思いました。

今回の試写会ではじめて、ハウス・オブ・カードを知りました。とても面白い作品でとても好感が持てました。

レビュータイトル無し

2014/5/24

小学生のときのこと。
公園の砂場の砂をプラスチックの下敷きの上にばらまく。
そして下敷きの裏に棒磁石をセット。
砂がうごめき,磁石の力,すなわち磁力で,普段は目に見えない磁場の姿が現れる。

ケヴィン・スペイシー演じるフランシスは,
約束されていたはずの米国国務長官のポストを反故にされ,
全精力を傾けて復讐を仕掛ける。
米国政府の裏側にうごめくパワーゲーム。

彼の思うままに,緻密に計算された泥沼のような復讐劇は進行し,
彼が意図する秩序が形成されていく。
まるで,磁力に導かれて砂鉄がうごめくように。
そして,目に見えなかった磁場が現れるごとく,
彼の意図した復讐の結果が一つまた一つと現実のものとなっていく。

しかしその秩序を形成している彼の姿は,表舞台からは見えないまま…
これはまるで磁力そのものだ。

彼を復讐に駆り立てる力は並大抵のものではない。
いや,彼ではなく,ロビン・ライト演じる妻・クレアと彼の二人の力というべきか。
この夫妻の仕掛ける罠は,砂地で獲物を待つアリジゴクのように,
一人,また一人と確実にターゲットを捉え,
その連鎖により,彼らが意図する秩序が作られていくのだ。

しかし,最初の2話を見ただけでは,
彼女にまつわるエピソードがこれからこのパワーゲームにどう絡んでいくのか,
まだ判然としない。
ただ,背筋が寒くなるような不気味さは,確かに見ているこちらをも締め付ける。
まさにサスペンス。
導入としては上手いと言わざるを得ない。

ニュートンの万有引力は教える。
いかなる力も,一方向だけには作用しない。
彼の復讐をつかさどる力は,最終的には別の力と均衡するしかないのではないか?
その意味で,果たしてこの物語がどう展開していくのか,目が離せない。

底なしの沼はない,はずなのだが…

『ハウス・オブ・カード 野望の階段』を見て

2014/5/23

なかなか面白く、しかもサスペンスに満ちた政治ドラマである。日本で政治を素材にしたドラマは、テレビであれ、映画であれ、面白いものは少ない。現実の政治事件を題材にしたものの中で、そこそこ面白い作品はあるものの、それは元の素材自体の面白さであって、作品としての力であることは少ない。そこへいくと、この作品はさまざまな現実の政治的出来事を下敷きにはしていると推測できるものの、ドラマとしてこなれている。

『野望の階段』という邦題を見て、まず連想したのは、半世紀も前に公開された米映画『野望の系列』(オットー・プレミンジャー監督)である。

原題は全く違うものの、どちらも米国政界を舞台にした暗闘のドラマであり、しかも、最重要閣僚である国務長官ポストをめぐる争いだから、共通点は極めて大きい。恐らく、『ハウス・オブ・カード』にこのような邦題をつけたのは、明らかに『野望の系列』を意識したと思われる。ただ、かなり高踏的な内容だった『野望の系列』に比べて、『ハウス・オブ・カード』の方は娯楽色が強い。連続テレビドラマということから、それは当然だろう。

とはいえ、それは本作が劣るというわけではない。政治という分かりにくい世界を分かりやすく、ダイナミックに描いたという点では優れた娯楽作品といえる。

主人公の民主党「下院院内幹事」というポストは、下院院内総務に次ぐ位置にあるわけだが、日本に置き換えれば、どうだろうか。自民党の参院議員団長が院内総務、参院幹事長が院内幹事に当たるといえるだろうか。米国の下院は強いていえば日本の衆院に相当するものの、衆院にはそれに相当するポストがないので、参院を例に取ってみたわけである。いずれにせよ、党内の取りまとめおよび他党との交渉などを担当するベテラン議員ということになる。

さて主人公が、「国務長官に任命する」という約束で大統領選挙に協力したにもかかわらず、その手形を不渡りにされて怒りに燃え、復讐をするドラマである。下院で大きな力を持つベテランだから、その貢献度は大きかったに違いないのに、裏切られたのだから、頭にきて、当然だ。

第2話までは、自らの代わりに就任する予定の国務長官候補の過去のスキャンダルを暴いて、就任を阻止し、代わりに知人の女性議員を国務長官に送り込む。今後は、自らをコケにしてくれた大統領を引きずり降ろすつもりであることは確かだろう。主人公の最終的な目的は今のところ、何なのかは分からない。「階段」というからには、大統領の座まで狙っているのだろうか。ただ、院内幹事は重要ポストではあるものの、通常は大統領になるためのキャリアパスとは思えないので、それは難しいと思える。

それでも、大統領を降ろし、自らの意を体してくれる人物を大統領に据えるつもりなのかもしれない。主人公は、金よりも何よりも「権力」が大事と考える人物だからである。

この主人公をケヴィン・スペイシーは達者に演じ、暗闘ドラマを自ら楽しんでいるかのようで、その楽しさが観客に伝わってくる。その妻役のロビン・ライトは主人公に劣らぬ冷徹さで、まるでマクベス夫人を見るかのようだ。

デヴィッド・フィンチャーの演出はテンポよく、複雑な政界ドラマを手際よくまとめており、政治家やその関係者、政治記者らの欲望などが絡んだ政治の面白さを縦横自在に描いている。

第3話以降も楽しみにしている。

レビュータイトル無し

2014/5/23

「ハウス・オブ・カード」面白かったです。13時間使えるドラマの強みです。

1章は人物紹介など紹介部分があるので、それなりに時間を感じましたが、2章は、あっというまに時間が過ぎました。ああー、もう終わりと残念に思うような面白さでした。

主役のケヴィン・スペイシーが観客のほうを向いて、説明したり、自分の思いを語ったりという、あまり見たことがないような語りの手法です。とはいえ、主人公やその他の人物が、物語とともに、あちこちに行ったり、何かするわけですが、場面が変わってなどという、ありきたりの描き方ではありません。政界の人間だけでなく、多種多様の人間が、同じ時代、同じ地平線上にいて描かれます。

今のところ善人とみえる主人公にたいして、彼の妻は、会社経営で非情にも長く勤めた人を大勢リストラしたりと、ダークな性格です。しかも、運動を欠かさず、プロポーション抜群で美しいので、尚更この奥さんはこわく見えます。主人公が、この奥さんの影響を受け、ダークに染まるのではないか、と思える今後の展開が楽しみです。

また、主人公にとりいり、新聞記者として、大活躍する若い女性を演じる、ケイト・マーラという女優さんが素晴らしいです。最初出てきた時は、しょぼいお姉さんに見えたのに、女の武器を使うこともいとわず、どんどん進出してくる演技がリアルです。加えて、重低音が効いている音楽(クラブミュージックという感じ)が、ドラマをじゃますることなく、ドラマの世界に没頭するのに最適な音楽です。この音楽とともに映し出されるアメリカは美しいです。

デヴィッド・フィンチャー監督の独特な、暗く静寂な雰囲気がもりこまれ、すぐれた脚本に書かれたキツイ台詞、笑える台詞がみだれうちのように暴れる作品で、頭がきーんとして冴えていくような感覚です。"

レビュータイトル無し

2014/5/23

セブン」「ソーシャルネットワーク」のデヴィット・フィンチャーが監督し、国務長官の地位を狙う野心的な男の役をケヴィン・スペイシーが主演する復讐劇的なドラマ。アメリカでNetflixを通じて配信されて話題になったらしい。今回の試写会では全13話のうちの最初の2話が上映された。

たった2回では内容について突っ込んで語ることは難しいが、えげつない欲望やエゴのぶつかり合いを描くのがお茶の間の昼メロ(テレビで放映していないので最早お茶の間や昼メロという概念はふさわしくないのかもしれないが)で人気を得やすいのだとしても、アメリカが金科玉条としてきた筈の《自由と民主主義》をあまりに否定して、政治が個人の欲望だけで動いているかのように描かれていたことに驚いた。軽くネタバレになるが、例えば議員立法の法案草稿が上司の意思でボツになるのは現実にもよくあることだとしても、草案がマスコミに漏れた為に政治生命を自ら断つというのは理解しがたかった。また35年前に編集長をしていた雑誌に載った自分とは意見の違う論者の論稿の文言をあげつらわれた上それが自身の失言と取り違えられてスキャンダルになるというのもかなり違和感があった。もしかしたら今後の展開でそのような理念のなさや政治哲学の薄さを批判するのがテーマになっていくのかもしれないが、主役演じるケヴィン・スペイシーの過去の出演作から想像する限り更に泥沼化していくのではないだろうか。

一方で映像はいわゆるテレビドラマによく感じる安っぽさがあまり感じられず、オーソドックスに綺麗に撮られているように感じた。また台詞まわしも古典演劇的な機知を取り入れているような箇所が多く、画面進行のテンポ感も粉気味良く感じられた。役者の演技も含め映像作品としてよく撮られている(「ハリウッド屈指の才能」というキャッチフレーズは嘘ではないのだろう)と感じられただけに、内容面の薄さがますます残念だった。

レビュータイトル無し

2014/5/23

デビッド・フィンチャーとケビン・スペイシーの組み合わせと
聞いてワクワクしない映画ファンはいないでしょう。
その気持ちを持ったまま、ぜひこの作品を観てください。
次に何が起こるのか、予測不可能な陰謀劇で瞬きの隙もありませんよ。
彼が描くのは盤石の布石か砂上の楼閣か。
最期にカードを切るのは誰なのか。目が離せません。

レビュータイトル無し

2014/5/23

ケビンスペイシーを敵にまわしてはいけないな、
見事胸がすく復讐をとげるのか、人を呪わば穴ふたつなのか、
それともまったく予想できない展開があるのか
個人的には復讐に失敗してずたぼろのケビンスペイシーを見たい、、
とにかく続きが見たいです